SSブログ

夢の木坂分岐点 [書物・音楽]

夢の木坂分岐点筒井康隆という作家がいる。
作家そのものの知名度も高いし、いくつかは小説タイトルが非常によく知られている。
小説そのものを読んだことをなくても、何度も実写映画・アニメ映画になった『時をかける少女』はとても有名だし、アニメ化された『パプリカ』、ドラマ化された『家族八景』や『富豪刑事』を知っている人もいると思う。
自分が最初に買った作品が何だったか、はっきりとした記憶はないが、『旅のラゴス』あたりだったような気がする。

どれか一冊を選ぶとするとどれかなと悩んだが、今回はこの『夢の木坂分岐点』で。
1987年に書かれた作品。
どういう話かというのはとても実は紹介しづらい話で、しかも万人向けの作品では決してない。
ずーっと以前に取り上げた別の作家の『アルジャーノンに花束を』とか『テロリストのパラソル』などはエンターテインメント作品としてはわりと勧めやすかったけど、これはなかなか難しい作品だ。筒井康隆の作品でも『旅のラゴス』とか『愛のひだりがわ』とかの方が圧倒的に入りやすい。
この作品は谷崎潤一郎賞を受賞しているが、人を選ぶ気がする。初筒井康隆の人は、この作品から入るべきではないとも思う。
それくらい難しい作品だと感じる。けれど心に残った。
これを最初に読んだとき、とても衝撃的だった記憶があり、その後何度も読んで何度も衝撃を受けた。(笑)
最終行で鳥肌が立った数少ない作品。
もうかれこれ5年くらいは読んでいない気がするが、またその内再読しようと思う。

夢の木坂分岐点 (新潮文庫)

夢の木坂分岐点 (新潮文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1990/04/27
  • メディア: 文庫

nice!(11)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 11

コメント 12

リュカ

私はこの人の作品で、自殺をした子の話が強烈に印象に残ってます。
タイトルは忘れちゃったなあ〜。
夢の木坂分岐点。これは読んだことがないです。
今度図書館で借りてみます^^
by リュカ (2014-01-27 22:19) 

ake_i

筒井康隆さんの作品はかなり読んでいたのですが、これは「?」でした。
さっそく、今、メモ。
明日、手に入れます。
最近、電車内での読書時間が全くなく、車移動が多くて・・・
あとはベットに入ってから睡魔に襲われるまでの間が読書タイムです(笑)
今はジョンマンの本です。
教えてくださりありがとうございます。
by ake_i (2014-01-27 23:18) 

kou

>リュカさん、
筒井康隆作品は、強烈な印象を残すものも多く、『メタモルフォセス群島』とかもそんな話が多いです。
この作品は一言で説明しづらい作品なので、とりあえず読んでみてもらえれば。(^^;
by kou (2014-01-28 07:49) 

kou

>ake_iさん、
もう20年以上前の作品なのですが、作品の世界観は古びた感じがありません。万人向けではないとは思いますが。
読書時間は私も以前より減ってます。通勤時間+寝る前の時間というのはake_iさんと一緒なのですが、寝る前の時間はついついネットサーフィンをしてしまい。タブレットやスマホが身近になりすぎたせいかも。(^^;
by kou (2014-01-28 07:52) 

はらぼー

万人向けでない、というのに惹かれます。
なんか、読みながら苦悶しそうな自分が見えます(^^;
by はらぼー (2014-01-28 08:04) 

kuwachan

筒井康隆は読んでいないですね^^;
以前は通勤時間は必ずと言っていいくらい読書時間だったのですが
いつの間にやら携帯→スマホタイムになってしまった為、激減です(笑)
折角のご紹介読んでみようかな。
by kuwachan (2014-01-28 12:11) 

krause

私も筒井はよく読みましたが、『夢の木坂分岐点』は知りませんでした。なかなか面白そうなので入手してみようと思います。
by krause (2014-01-28 16:12) 

kou

>はらぼーさん、
この作品、私は一回読んだとき、最終行に至るまでどうなるのか全然わからなかったのですが、最終行で鳥肌が立った記憶があります。
愉しい話かと言われると違うかなと思いますが、印象深い話であることは間違いないと思います。
by kou (2014-01-28 19:05) 

kou

>kuwachanさん、
筒井康隆作品は一作毎に文体が異なったり、世界観が極端に違うものだったり、どれを読むかで最初の印象がかなり異なると思います。
乱読タイプの活字好きな人にはこの作品、おススメしますが、それ以外だと一作目として読むならこれじゃないのをおススメします。(^^;
by kou (2014-01-28 19:08) 

kou

>krauseさん、
筒井康隆作品をあれこれ読まれているのであれば、こちらもおススメです。
面白いと思われるかどうかは相性次第かなと思います。
個人的には大好きな作品ですが。
by kou (2014-01-28 19:12) 

cocoa051

ワタシもkrauseさんとおなじく、筒井ものは何冊が読んでますが、この夢の木坂は読んでいませんでした。
読んでみようかな・・・。
by cocoa051 (2014-01-29 07:53) 

kou

>cocoa051さん、
独特な作品で、万人向けではないですが、もし時間があるようなら読んでみていただければ。
こういうストーリとかとあらすじを伝えにくい作品ですし、紹介しにくくて、ちょっと困るお話です。(^^;
by kou (2014-01-29 19:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0