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投資信託で選ぶもの [資産運用]

資産運用ネタ。 (すでに運用している人から見ると、この不定期連載の内容は「今さら?」と感じたり、既知のことばかりで参考にならない部分も多いと思うので読み飛ばしてもらえれば)

初めて株式投資をするなら、投資信託を選んだほうがいい。
投資信託というのは、それぞれ商品を出している会社がある基準に従って株を複数買って運用するもので、証券会社によるが、100円とか1000円から買うことができる。
個別株ではそうはいかないので、気軽に積み立てられるメリットがある。

初めての株式投資であれば、税制優遇を受けられるつみたてNISAを外すことはありえない。
それで、つみたてNISAは投資信託が対象であるから、結果として投資信託を選ぶことが必然になるという面がある。
それ以外には、個別株を最初に買って運用するのは金額面以外にリスクの面でもハードルが高いから、という理由になる。
投資信託はいろいろな会社の株が混ざっており、その中の一社が大幅な赤字を発表して下落しても、100社均等であれば1%しか影響がない。個別株はその会社が大幅な赤字を発表して下落したら、100%の影響を受けてしまう。
もちろん個別株取引がダメということではなく、最初に選ぶのはそれではないだろう、という優先順位の問題だ。

さて、投資信託もいろいろある。
・株式のみのもの、債権のみのもの、リート(不動産)のみのもの、それらのミックス
・対象国が日本だけ、米国だけ、先進国だけ、新興国だけ、それらのミックス
・指標に沿うもの(インデックスファンド)、独自のもの(アクティブファンド)
・信託報酬(平たく言うと手数料的なもの)が高いもの、安いもの
・為替ヘッジがあるもの、ないもの
大きくはそういった選択肢から選ぶことになる。
実際には、ハイリスクハイリターンのレバレッジがかかっているものや、反対の動きをするものなど、いろいろあるが、それらはつみたてNISA対象外となっていることがほとんどなので気にしなくていい。

多くのサイトで、アメリカ、先進国、全世界のいずれかの株式インデックスを積み立てておくことが推奨されている。
アメリカの株式でも指標はいろいろあるが、S&P500というよく指標にされるインデックスだと、商品としては以下あたり。(50音順)
・SBIアセットマネジメントのSBI・V・S&P500
・大和アセットマネジメントのiFree S&P500インデックス
・三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・りそなアセットマネジメントのSmart-i S&P500インデックス
信託報酬が圧倒的に安い、SBI・V・S&P500かeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がおすすめ。
農林中金とかもS&P500インデックスファンドをやっているけど、SBIやeMAXIS Slimの5倍近く信託報酬が取られる。運用結果はほぼ同じなのに。

アメリカについては、S&P500以外にもある。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスとか、NYダウとか、NADAQ100とか。
いまはさまざま雑誌や書籍で解説されており、ネット上にも多くの情報があるので、それぞれの違いは調べてみることを勧める。
なお、自分自身の主力の投資信託は以下だ。
・三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

その三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimにはいろいろな商品がある。
eMAXIS Slim推移
eMAXIS Slimで一番歴史のある商品でも2017年ころからなので、5年前の2017年4月からの推移を拾ってみた。
それぞれの商品の違いは、商品名から推測してもらうか、ネットを検索して詳細を調べて欲しい。
新型コロナ蔓延のタイミングでがくっと落ちているが、その後は基本的に右肩上がりだ。新興国がやや冴えない動きだが、マイナスになっていっているわけではない。

つみたてNISAで毎月限度額まで積み立てたとしたらどうなっていたのだろうか。
つみたてNISAは一年間40万円が上限なので、400,000÷12ヶ月=33,333円/月が限度額となる。
2018年8月1日から毎月最初の営業日に積み立てるように設定して、どれか一本に絞って毎月33,333円を積み立てたとする。
eMAXIS Slim推移積立推移
どれに積み立てたとしても先週末時点でプラスだ。
33,333円を45ヶ月積み立て続け、1,499,985円を投資したことになる。
一番結果の良かったアメリカS&P500インデックスで、235万円超となっている。85万円以上プラスだ。
一番成績の悪い、新興国でも31万円以上プラスだ。
ちなみに、銀行の定期預金だと自動販売機で缶ジュースも買えないくらいの利子しかつかない。

2年前の2020年4月1日から毎月最初の営業日に積み立てるように設定して、どれか一本に絞って毎月33,333円を積み立てたとする。
eMAXIS Slim推移積立推移
33,333円を25ヶ月積み立て続けた場合、つまり833,325円を投資した場合はこうなる。
一番結果の良かったアメリカS&P500インデックスで、113万円超となっている。30万円以上プラスだ。
一番成績の悪い、新興国でも10万円以上プラスだ。

注意してほしいのは、あくまでも株式への投資なので、マイナスになることもあるということだ。
2018年8月1日からのグラフを見てもらえばわかるが、新型コロナが広まり始めたころの株価暴落で6ヶ月くらいマイナスが続いたし、過去にもITバブル崩壊やリーマンショックなどでマイナスになった時期はある。

また、ここに挙げている商品は、海外の株式に分散投資している。(我々が買うときは日本円で買うが、それぞれの会社が海外の株を買って運用しているので内部的に為替が影響してくる)
円高に推移していくフェーズだと、含み益が減ってしまいやすい。
どういうことかというと、こういうことだ。
たとえばアメリカの100ドルの株を買うとする。
1ドル100円だと10000円必要だ。
翌月アメリカの株が10%上がって110ドルになったとする。(うれしい)
このとき1ドル100円なら、10000円で買った株が110ドル×100円/ドル=11000円となったことになる。
ところが、同じ日に円高になって、1ドル90円になったとする。
110ドル×90円/ドル=9900円となり、10000円使って買った株がマイナス評価になったことになる。

逆もある。
1ドル100円のときに、100ドルの株を10000円で買ったとする。
翌月その株が10%下がって90ドルになったとする。(悲しい)
同じ日に円安になって1ドル125円になったとすると、こうなる。
90ドル×125円/ドル=11,250円となり、10000円使って買った株が12.5%アップの資産価値となったことになる。

投資信託はそういう株の集まりで構成されている。
ここで言いたいのは、対象国の株が好調でも不調でも、投資信託が思わぬ値動きをすることがあるということだ。
そういう理由もあって、投資信託を積み立てていても大きくプラスにならない時期というのはあるということだけ知っておけばいい。
最悪、円高でダメージを受け、株も暴落してマイナスというダブルパンチで含み損が大きくなるみたいなこともありうるので、最初の1年は余剰資金で最悪半額になっても勉強代として受け入れよう、くらいの気持ちで投資することが好ましい。

何度も書いてきたが、100%儲かる話は絶対にない。そんなものは詐欺だけだ。
マイナスになるかもしれないことを理解し、場合によってはマイナスの時期が数ヶ月~数年続くことを覚悟した上で投資するべきだ。
そうして初めて、5%の含み益が得られる機会が来るのだ。
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うつぼ

kouさんの記事をみて私も自分の資産運用について見直しています。
記事を書こうと思っていたら、kouさんの詳細な記事が続いていて、
読みながら頷いてそのまま終了してしまいそうな気が。。(^-^;

by うつぼ (2022-04-17 18:30) 

kou

>うつぼさん、
いえいえ、ぜひ書いてください!
私は株式投資を初めて一年未満の初心者ですので、調べながら書いていますが、どこまで詳細に書くのか、なかなか難しいなぁと思いながら記事にしています。
うつぼさんの記事も楽しみにしていますので、気長に待ってますね~。
by kou (2022-04-17 20:55) 

kuwachan

ホント定期預金の利子は雀の涙程度になってしまいましたからね
利子が楽しみだった時代が懐かしいです。
by kuwachan (2022-04-17 22:52) 

kou

>kuwachanさん、
銀行の利子が資産運用と直結できていたのは、バブル崩壊までですね。
もう30年くらい前なのですが、日本人はその後も銀行&保険信仰が強すぎる傾向がずっと続いているようです。
by kou (2022-04-18 07:59) 

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