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アルジェリアテロ被害者実名報道事件 [雑感]

花アルジェリアでテロがあり、日本人も多数の被害者を出した。
事件勃発後、連日テレビや新聞、ネットなどで報道が続けられている。
ここではそのテロ行為そのものや背景について書くつもりはない。(書けるほどの知識もない)

取り上げるのは、実名報道事件について。
朝日新聞社という新聞社が、本人の希望を無視して実名報道に踏み切った件だ。
その経緯については、ネットを検索するといろいろと出てくるので、割愛する。
個人的には新聞社としてやってはいけないことを平気でやる体質が一つ露呈したのだなと思っただけだ。
そして、この経緯は不思議(でもないな(笑))なことに、主要なニュースサイトではあまり取り上げられていない。興味のある人はネット専業のニュースサイトを見た方がいいと思う。

ここ連日の報道で思うことは、被害者やその遺族を過熱報道する意味があるのかということ。
遺体が運ばれてきた映像を延々と流すテレビ。マラソンやトライアスロン、駅伝なら延々と流すことには意味も価値もあるが、ニュースの報道として意味があるのだろうか。
新聞にしても、被害者の親族がどうとかこうとか、家に押しかけて根掘り葉掘り聞いて、記事を書き続け、プライバシーをはぎ取っていくことに意味があるのだろうか。
また今回の一環の報道において、テレビや新聞が何か付加価値をつけて報道をしているのだろうかとも思う。

もうひとつ。
実名報道については、不公平性がある。
名前ランキングのサイト(電話帳の世帯主名統計のため男性や中高齢の人の比率が多いことに注意)で調べると、「田中 実」「鈴木 茂」「佐藤 清」「佐藤 正」「高橋 清」「佐藤 進」各氏は日本に1500人以上いるようだ。
一方で、電話帳検索では1人とか2人しかヒットしない人も結構見つかる。
たとえば「田中 実」さんの報道であれば、多少特定に時間がかかるし、直接的な知人でなければ検索されてもリスクは低い。しかし、そういう人ばかりではないのだ。珍しい名前の人であれば、ネットで名前が載ると、ずっと検索でヒットし、本人だと特定されるリスクが増すことになる。
心ない人からいたずら電話がかかってきたりすることもあるわけで、そんな仕打ちを罪もない遺族が受ける必然性はない。遺族である自分や親族のことをそっとしておいてほしいと思っても、そっとしておいてはくれない名前だってあるのだ。
視聴者や読者の希望だという報道関係者の都合のよい建前(本音は視聴率や読者数の獲得が大事)で、それらを黙って受け入れなくてはならない一般人という構図には正直うんざりしている。自分だっていつそういう立場に立たされてもおかしくないという気持ち悪さは付きまとうわけだ。
こういうことを棚上げにせず、実名を報道するということについて、視聴者や読者は真正面から向き合っていく必要があると思う。

ちなみに自分は、三大紙および地方紙を社会人になってから一度もとっていない。
経済新聞しかとっていないが、それで十分だ。おそらく今後も三大紙をとることはないだろう。
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