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枯葉色グッドバイ [書物・音楽]

小説をそれなりに読んできたけど、置き場所に困ることもあり、いくつか制約を自らに課している。
(1)原則として文庫本のみ購入する。(ハードカバーや単行本が出ても耐えて待つ(笑))
(2)作家によっては出版社縛りをつける。(この作家は○○社のものだけ買うとか)
(3)書棚が一杯になってきたら再読しないものから古本屋に売る。

これまで自分のブログで小説をいくつか取り上げてきた。コミックとか雑誌とかも取り上げているけど、文庫本の小説だけに限定して数えてみたら以下の14作のようだ。(ゴヤは小説というか伝記みたいな感じだけど。)
それぞれの記事を取り上げた順番に並べてみた。(年月日は各記事にリンク)
2006/02/01 冲方 丁『マルドゥック・スクランブル』
2008/09/15 藤原 伊織『テロリストのパラソル』
2008/09/29 ディーン・クーンツ『ライトニング』
2008/10/15 上橋 菜穂子『精霊の守り人』
2008/10/26 ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』
2009/05/27 楡 周平『異端の大義』
2009/09/23 東野 圭吾『卒業―雪月花殺人ゲーム』
2009/11/10 宮部 みゆき『模倣犯』
2010/02/19 有川 浩『塩の街』
2010/11/12 宮部 みゆき『ICO-霧の城-』
2010/12/23 涌井 学『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
2012/02/02 堀田 善衛『ゴヤ』
2012/03/17 野尻 抱介『南極点のピアピア動画』
2014/01/27 筒井 康隆『夢の木坂分岐点』

読んでいるとか言っているわりに少ない!(笑)
一作品も取り上げてない年もあるから、自分のマメさ加減の問題だけど。
15記事目として取り上げるのは樋口有介氏の作品『枯葉色グッドバイ』。

枯葉色グッドバイ小説の紹介文はこう。
『「誰もがなりたくないと思い、それでいて誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな」。代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉明郎は、女性刑事、吹石夕子に日当二千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。考えるホームレス、椎葉の求めた幸せとは? ハートウォーミングな長篇ミステリ。』

設定だけを見ると、自分が以前に取り上げた『テロリストのパラソル』にやや近いものもある。
もちろん違う著者であり、違う作品であり、どちらも面白い。
2003年に単行本で発売された作品で、今から10年以上前。社会や経済情勢がその後変わったこともあり、やや描写が現実とそぐわない部分もないわけではないが、ストーリー展開を損なうほど違和感があるものではない。

樋口有介氏の作品は、柚木草平や木野塚佐平などの探偵物シリーズを除くと、主人公が10代から20代の学生であるケースが多いが、単発物としてはわりと珍しく大人が主人公なのがこの作品。
世間的には、ドラマ化された柚木草平シリーズとかの方がメジャーだと思うし、そちらもかなり好きなのだけど、あえて取り上げるならこれかなぁと思って取り上げてみた。
この人の作品はとにかく語り口に引き込まれることが多い。
ミステリー系の話にはいろいろなものがあるが、パズル的な密室トリックとか鉄道のダイヤを使ったトリックがどうとかという作品と違って、自分はこういう会話やストーリーが重視される方が好みのようだ。

枯葉色グッドバイ (文春文庫)

枯葉色グッドバイ (文春文庫)

  • 作者: 樋口 有介
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫

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