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ゴヤ [書物・音楽]

ゴヤⅠ~Ⅳ2か月前のブログで、堀田善衞氏のゴヤに関する本に触れていたのだが、本そのものを紹介していなかった。
写真の、ゴヤI~IV。
圧倒的なボリューム。
1巻:スペイン・光と影、2巻:マドリード・砂漠と緑、3巻:巨人の影に、4巻:運命・黒い絵。

これを読むと、当時のヨーロッパの風俗、特にスペインの悲惨な文化度や歴史の暗部がとてもよくわかる。
ゴヤは宮廷画家にまで上り詰めるが、多くの子を失い、聴力を失い、生命にかかわる大病を患い、キリスト教の粛清の影に苛まされ、友人たちが次々と投獄され、暗愚な王政に幻滅させられ、本当に大変な一生だったようだ。
豪胆で自己中心的な面はあるが、当時はそのくらいでないと、上流階級に食い込み、多くの作品を残せなかったのだろう。

有名な『着衣のマハ』と対になる『裸のマハ』については、キリスト教異端審問会で問題視され、最終的にはそれを避ける形でフランスへ事実上亡命している。
キリスト教の闇は、魔女狩りやガリレオ・ガリレイへの圧力などいくつも有名な逸話があるが、ゴヤにもその毒の影響を与えたわけだ。

ゴヤに関心がある人は、ぜひこの本を読んでみてほしい。
かなり分厚い本で読みとおすのに時間がかかるが、スペインへの認識が変わると思う。

ゴヤ 1 スペイン・光と影 (集英社文庫)

ゴヤ 1 スペイン・光と影 (集英社文庫)

  • 作者: 堀田 善衛
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/11/19
  • メディア: 文庫

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