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大塚国際美術館 ピエール=オーギュスト・ルノワール [美術・娯楽]

ピエール=オーギュスト・ルノワール。
19世紀生まれのフランス出身の画家だ。
磁器の絵付職人の見習い、扇子の装飾などの職人としての仕事を手がけていたが、画家になることを20歳のときに決意、しばらく経済的に厳しい状況が続いている。いまでこそ印象派の絵画はもてはやされるが、その当時は逆風が強く、出展しても落選したり酷評されたりと厳しい状態が続いた。
何人かの理解者やパトロンの存在もあり、その後少しずつ生活が好転し、39歳のころ、レジオンドヌール勲章の受賞の打診があるほどとなった。(勲章受章はそのときは辞退し78歳の時に受賞している)
78歳で亡くなっており、その当時の画家としては長寿だった。

大塚国際美術館にはルノワールの作品が17点あり、ここでは2点取り上げる。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』。
原画はフランスのオルセー美術館が所蔵している。(『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』は大きさの違うサイズで描かれた絵がもう一点あり、そちらは個人が所蔵している。)
画中の人物たちの何人かは、ルノワールの友人たちである。
この絵画は、第3回印象派展の競売会で同じ印象派の画家仲間であったギュスターヴ・カイユボットが買い取ったが、このころは前述のとおり、印象派自体苦しい立場で、競売会は全体的に低調だったそうだ。

ピアノに寄る少女たち
『ピアノに寄る少女たち』。
原画はフランスのオルセー美術館が所蔵している。
同じ構図の作品が5点あることが知られているが、これは意図したものだ。
リュクサンブール美術館の美術総監であったルージョンから制作を依頼を受けたルノワールは、5枚のほぼ同じ大きさのキャンヴァスに、微妙に色彩とポーズが違う絵画を描いた。その中からルージョン自身にどれか1つを選ぶよう伝え、選ばれたのがこの作品だ。(ほかの作品はメトロポリタン美術館やエルミタージュ美術館が所蔵するなどバラバラとなった。)
柔らかい色調の作品であり、5点のなかでもっともファンが多い『ピアノに寄る少女たち』であると思う。
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