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大塚国際美術館 エル・グレコの大祭壇衝立復元 [美術・娯楽]

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エル・グレコの大祭壇衝立復元。
説明板に書いてあった内容を一部引用する。
宮廷貴族の子女で貞節な淑女ドーニャ・マリア・デ・アラゴンの名を冠したこの学院の祭壇衝立画は、エル・グレコ円熟期の1600年前後の制作であり、スケールも大きく質的にも最高傑作であるが、戦禍により絵が散逸したため、完成当初の様子は推論するほかない。

要は散逸した絵画を陶板画で再現し、元々あったであろう配置で、当時の様子を再現したということだ。
実物大での再現は例を見ないことで、大塚国際美術館らしい展示の一つ。

左側上は『キリストの復活』で、左側下は『羊飼いの礼拝』。
中央上は『キリストの磔刑』で、中央下は『受胎告知』。
右側上は『聖霊降臨』で、右側下は『キリストの洗礼』。

『羊飼いの礼拝』のみルーマニア国立美術館が収蔵しているが、他の部分はすべてプラド美術館が収蔵している。

ちなみに、大塚国際美術館にはエル・グレコの作品が9点ある。
エル・グレコは16世紀生まれのギリシャ出身の画家だ。
スペインで活動し、宗教画を多く描いた。
スペインでの初仕事としてトレド大聖堂から祭具室の祭壇画を依頼されて仕上げるが、独創的であり宗教的な面で非難を呼び、支払いのことでもめて、エル・グレコは訴訟を起こした。結局敗訴するが作品の引き渡しを頑として拒否、訴訟調停の上で減額で折りあった。その後もエル・グレコはしばしば注文主と報酬のことでもめたようだ。
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