大元公園 [旅・場所]
大元公園。
春は植えられているサクラが何本も色づき、なかなか美しいさまを見せるようだが、自分はその時期に訪れたことはない。
主要な参道や観光スポットから離れていることもあり、公園は静寂に包まれ、鳥のさえずりくらいしか聞こえない。
シカたちがのんびりと身体を休めている。
人の服や袋に興味を持つシカはこのあたりで休憩するはずもなく、鬱陶しく近づいてくる個体はいなかった。
実に平和だ。
公園内の看板にはこうある。
『大元公園のモミ原生林
モミは日本特産の針葉樹林で、分布の南限は屋久島、北限は宮城県で太平洋側に多く、日本海側には少ない。冷涼な山地に分布し、中国地方では海抜300m以上の山地に多く、海岸に棲息することは極めてまれである。
ここ大元公園一帯には、モミ、ツガ、カヤなど冷涼な山地に生育する針葉樹が海岸近くに自生しており、植物学上から貴重な存在である。
特に亜熱帯系のミミズバイ等を伴っており、世界的に見ても類例のないモミ、ミミズバイ林を形成している。梢近くまでよじ登っている、テイガカズラ等の木本性つる植物の存在は熱帯雨林の景観と似ており興味深い。』
その原生林の中へと分け入っていく。