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大塚国際美術館を後にして [美術・娯楽]

大塚国際美術館
大塚国際美術館で自分が撮影した作品はまだまだあるが、これを続けていると、年を越してしまいそうなので、そろそろ終わりにする。
本当に多くの作品があった。
自分が取り上げていない著名な芸術家としては、ジョット、ドゥッチョ、フィリッポ・リッピ、フェデリコ・バロッチ、アルブレヒト・デューラー、カラヴァッジオ、ルーベンス、カミーユ・コロー、ギュスターヴ・クールベ、マネ、カミーユ・ピサロ、アンリ・ルソー、ポール・セザンヌ、ル・コルビュジエ、ジョルジョ・デ・キリコ、サルバドール・ダリ などがある。
また、絵画だけでなく、壺や皿の文様を平板に再現していたり、壁の文様を再現した場所があったり、ユニークな展示も多い。
環境展示も取り上げたものも含めて12点あり、広い美術館らしく、展示が充実している。
また、陶板に焼き付けた絵画でむき出しで展示されている
ほとんどの場所で触れることもできるし、触れないとしても、相当近づいて見ることができるのがここの特徴だ。広くて人口密度が薄いので写真も撮りやすいし、アクリルやガラス越しではないので映り込みや反射もなくて、撮影面でも快適だ。

鑑賞ルート通りに歩くと約4kmあると公式ページにあるので、歩くだけで1時間はかかる計算だ。
芸術作品を鑑賞し、銘板の説明を読み、気に入った作品の写真を撮り、というループを繰り返しながら歩き回り、ランチタイムあるいはコーヒータイムをとり、土産物を買いとやっていると、最低でも3時間は必要だと思う。
自分と父が少し離れたところにある美術館専用駐車場に車を止め、入り口まで歩いてチケット売り場に着いたのが11:30ころだった。
途中にランチタイムを挟み、最後の作品の写真を撮ったのが15:40ころで、その後に地下3階のミュージアムショップへ移動して土産を物色して買っているので、おそらく16時前に美術館を出たと思われる。
4時間半近く滞在していたわけだ。
父は年のわりに健脚なのでランチタイム以外の休みをほとんど入れなかった。おそらく自分一人でも同じくらいの時間滞在していたと思う。
ここを訪れる人は、ウォーキングシューズくらい歩きやすい靴を履いておくことをお勧めする。

専用駐車場行きのバスがたまたまいたので、それに乗って駐車場へ移動し、車で宿へと向かった。
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大塚国際美術館 クロード・モネ [美術・娯楽]

クロード・モネ。
19世紀生まれのフランス出身の画家だ。
印象派を代表する存在だ。
86歳で亡くなるまで2000点以上の油彩画を描いた。
1865年(25歳のころ)にサロン・ド・パリにモネが出品した作品が入選し、エドゥアール・マネの『オランピア』の真前に作品が並んだ。その際、マネは自分の名前を利用しようとする人物がいると誤解して憤慨したという話がある。これを機に、モネは姓だけの署名を止めて「クロード・モネ」というフルネームの署名をするようになったそうだ。(MonetとManetで1文字違い、しかも筆記の署名なので、そう勘違いしても不思議ではない)

大塚国際美術館にはモネの作品が15点あり、ここでは3点取り上げる。(前日の記事もモネだ)

印象・日の出
『印象・日の出』。
モネの代表作だ。この「印象」が印象派の名前の由来になった。
原画はフランスのマルモッタン美術館が所蔵している。
1874年の第1回目の印象派展に出展された際、評論家のルイ・ルロワがこの作品の題を見て、自身が担当する風刺新聞『ル・シャリヴァリ』紙のレビュー記事において、この展覧会を軽蔑の念と悪意をこめて「印象主義の展覧会」と評した。この命名が後に定着したことから「印象派」と呼ばれるようになったが、その名称は軽蔑と悪意から生まれたことになる。
朝もやのル・アーヴルの眺めを描いたこの作品は後世に高く評価されたが、当時の他の印象派の絵画と同様、評価が低かった。

睡蓮の池、緑のハーモニー
『睡蓮の池、緑のハーモニー』。
原画はフランスのオルセー美術館が所蔵している。
モネと言えばスイレンを描く、という印象が強い。
1897年から死ぬまでジヴェルニーの自宅に暮らして、庭師を複数人雇い、庭に池を造り、池にはスイレンを咲かせ、それをテーマに数多くの作品を残した。
日本風の橋を作って柳を植えたのは、日本、特に浮世絵の憧れがあったと言われている。
空のない風景画は、それまでの伝統的な風景画とは異なり、独特の印象を与える。

ロンドンの国会議事堂
『ロンドンの国会議事堂』。
原画はフランスのオルセー美術館が所蔵している。
モネは1899年から3度にわたってロンドンを訪れている。
そこで、サヴォイ・ホテルから見たチャリング・クロス橋とウォータールー橋を、聖トーマス病院から見た英国議事堂を描き、100点あまりの作品を残した。
この作品は建物を取り巻く霧越しの景色を透明感を感じさせる描写がいかにもモネという絵画だ。
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大塚国際美術館 大睡蓮(環境展示) [美術・娯楽]

大塚国際美術館の地下2階(地下だが屋外になる)には、環境展示として大睡蓮と名付けられた場所がある。
モネの絵画『睡蓮』をイメージして作られた場所だ。

大睡蓮
楕円形に囲まれた場所に、モネの絵画を転写した壁があり、座って鑑賞できる。
6月~9月に訪れると、壁画を囲むように植えらえているスイレンの花を楽しむこともできる場所だ。
(自分が父と訪れたのは10月だったので、ほとんど咲いていなかった)

大睡蓮
真正面から見ると、こんな感じだ。
広い美術館ならではの展示方法だと思う。
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大塚国際美術館 ミケランジェロ・ブオナローティ [美術・娯楽]

ミケランジェロ・ブオナローティ。
15世紀生まれのイタリア出身の画家だ。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ・サンティとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠といわれている。
その三大巨匠のなかでもっとも長生きだった。ラファエロ・サンティは37歳、レオナルド・ダ・ヴィンチは67歳、ミケランジェロ・ブオナローティは88歳で亡くなっている。
ミケランジェロは、画家としても有名だが彫刻家としても有名で、ピエタやダヴィデ像などを残している。ちなみにその2つは20代のときに制作しており、若い時から才能を発揮していた。
ミケランジェロは贅沢を好まず、私生活は質素なものだった。着るものや食べるものに頓着しないことから、粗野でむさ苦しい人物として見られていたそうだ。

大塚国際美術館にはミケランジェロの作品が2点あり、ここでは1点取り上げる。(もう1点はシスティーナ礼拝堂の天井画と壁画なのですでに取り上げた)

聖家族
『聖家族』。
原画はイタリアのウフィツィ美術館が所蔵している。
ミケランジェロのパネル絵は3点しか残っておらず、なかでも『聖家族』はミケランジェロが弟子や助手の力を借りずに一人で制作した絵画で、唯一完成している作品だ。
奥に5人の裸体の男性が描かれているが、これについてはその意図が議論の的となっている。
色彩は鮮やかで輝かしく影がないが、これは明暗と陰影とですべてを表現しようとしたレオナルド・ダ・ヴィンチに対抗して、ミケランジェロが鮮やかな象徴的色彩を主張する狙いがあったとされている。
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大塚国際美術館 ラファエロ・サンティ [美術・娯楽]

ラファエロ・サンティ。
15世紀生まれのイタリア出身の画家だ。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠といわれている。
8歳で母が、11歳で父が死去し、父方の伯父にひきとられた。
若いころから才能が認められており、全盛期のころにはローマ教皇ユリウス2世やローマ教皇レオ10世とも良好な関係を結んだ。ヴァチカン宮殿には有名なラファエロの間と呼ばれる場所があり、一般に公開されている。
たくさんの作品を残したが、37歳という若さで亡くなった。

大塚国際美術館にはラファエロの作品が10点あり、ここでは1点取り上げる。

小椅子の聖母
『小椅子の聖母』。
原画はイタリアのピッティ美術館が所蔵している。
上述のローマ教皇レオ10世が注文して描かせたのではないかと言われている。
柔らかい雰囲気をもつこの絵画はラファエロが描いた聖母子の絵画の中でもっとも有名なものだと思う。
優しげなまなざしをもつこの絵は自分の好みにあっていて、写真を撮った後しばらく鑑賞させてもらった。
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大塚国際美術館 ポール・ゴーギャン [美術・娯楽]

ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン。
19世紀生まれのフランス出身の画家だ。
独特の手法で描く絵画が有名。のちにクロワゾニスムと呼ばれるポスト印象派の様式だ。
『いつ結婚するの』という絵画が2015年に3億ドルで落札されるほど現代では評価されているが、当時は大した評価を受けなかった。
商売をして上手くいかなくて妻の収入に頼ったり、パナマ滞在中に破産して国に呼び戻される途中で下船してバカンスを楽しんだり、ゴッホを成長させたのは自分のおかげだと(ゴッホは否定している)主張したり、タヒチで13歳の少女を現地妻とし、貧しいころ支えてくれた妻には伯父からの遺産を分けようとしなかったり、また訪れたタヒチで別の14歳の少女を妻とし、またその後に14歳の別の少女を妻としている。名誉棄損で有罪判決を受けていたり、同時代の画家を侮蔑し敵対したり、酔っぱらって喧嘩し骨折するなどよく問題を起こしている。
芸術家は独特な人物が多いが、ゴーギャンは偏屈で関わりたくない人物だと感じる。

個人的にも画風自体好みでないので取り上げないことにしようかと思ったが、せっかく撮ったので一枚だけ紹介する。
大塚国際美術館にはポール・ゴーギャンの作品が10点あり、ここではその1点を取り上げる。

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』。
原画はアメリカのボストン美術館が所蔵している。
ゴーギャンの作品のなかで、最も有名な絵画の1つだ。
エミール・ベルナールとカミーユ・モークレールからそろって批判する記事を書かれ、パリの美術界で孤立したゴーギャンが、逃げるようにタヒチに移り住んでいたときの絵画だ。返済のあてもないのに身の丈に合わない家を建てて銀行から取り立てにあい、最愛の娘アリーヌが亡くなったという連絡があったころに描かれたもので、ゴーギャンの精神性を表しているとされている。
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大塚国際美術館 フラ・アンジェリコ [美術・娯楽]

フラ・アンジェリコ。
14世紀生まれのイタリア出身の画家だ。
数々の宗教画を描いた修道士で、礼拝堂や教会に絵画が残っている。
当時フィレンツェでもっとも裕福だったコジモ・デ・メディチの知己を得て後援されるなど、絵画を描く環境としては恵まれていた。

大塚国際美術館にはフラ・アンジェリコの作品が3点あり、ここでは1点取り上げる。

受胎告知
『受胎告知』。
原画はイタリアのサン・マルコ美術館が所蔵している。
大天使ガブリエルが屋外で屋内で過ごす聖母マリアを訪ねるという構図の最初の考案者がフラ・アンジェリコと言われている。それまでの絵画ではマリアが玉座に座っているものが多い。
天上と地上が邂逅するという場面は人気で、レオナルド・ダ・ヴィンチやエル・グレコなど数々の画家が描いている。
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大塚国際美術館 ピエール=オーギュスト・ルノワール [美術・娯楽]

ピエール=オーギュスト・ルノワール。
19世紀生まれのフランス出身の画家だ。
磁器の絵付職人の見習い、扇子の装飾などの職人としての仕事を手がけていたが、画家になることを20歳のときに決意、しばらく経済的に厳しい状況が続いている。いまでこそ印象派の絵画はもてはやされるが、その当時は逆風が強く、出展しても落選したり酷評されたりと厳しい状態が続いた。
何人かの理解者やパトロンの存在もあり、その後少しずつ生活が好転し、39歳のころ、レジオンドヌール勲章の受賞の打診があるほどとなった。(勲章受章はそのときは辞退し78歳の時に受賞している)
78歳で亡くなっており、その当時の画家としては長寿だった。

大塚国際美術館にはルノワールの作品が17点あり、ここでは2点取り上げる。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』。
原画はフランスのオルセー美術館が所蔵している。(『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』は大きさの違うサイズで描かれた絵がもう一点あり、そちらは個人が所蔵している。)
画中の人物たちの何人かは、ルノワールの友人たちである。
この絵画は、第3回印象派展の競売会で同じ印象派の画家仲間であったギュスターヴ・カイユボットが買い取ったが、このころは前述のとおり、印象派自体苦しい立場で、競売会は全体的に低調だったそうだ。

ピアノに寄る少女たち
『ピアノに寄る少女たち』。
原画はフランスのオルセー美術館が所蔵している。
同じ構図の作品が5点あることが知られているが、これは意図したものだ。
リュクサンブール美術館の美術総監であったルージョンから制作を依頼を受けたルノワールは、5枚のほぼ同じ大きさのキャンヴァスに、微妙に色彩とポーズが違う絵画を描いた。その中からルージョン自身にどれか1つを選ぶよう伝え、選ばれたのがこの作品だ。(ほかの作品はメトロポリタン美術館やエルミタージュ美術館が所蔵するなどバラバラとなった。)
柔らかい色調の作品であり、5点のなかでもっともファンが多い『ピアノに寄る少女たち』であると思う。
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大塚国際美術館 火焔型土器 [美術・娯楽]

大塚国際美術館のほとんどの展示は、西洋を中心とした日本以外の芸術作品だ。
一ヶ所、日本にゆかりのある作品がある部屋があり、そこに置かれているものの一つが、火焔型土器だ。

火焔型土器
大きさだけでなく重さまで同じに再現されたこの火焔型土器は手で触り、持ち上げてみることができる。
絵画とは異なり、3Dでのアプローチになるわけだが、重さまで一緒というのはすごい。

ここのコーナーには、キトラ古墳の壁画を複製したもの、風神雷神図を複製したもの、色絵藤花文茶壷を複製したものなどが並び、小規模だがなかなか興味深い。
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大塚国際美術館 ディエゴ・ベラスケス [美術・娯楽]

ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス。
16世紀生まれのスペイン出身の画家だ。(1599年生まれなので実質17世紀の画家)
当時のスペイン国王フェリペ4世の肖像画を描いたことがきっかけで国王に気に入られ、フェリペ4世付きの宮廷画家となった。
国王、王女をはじめとする宮廷の人々の肖像画を描き、王宮や離宮を飾るための絵画も手掛けた。

大塚国際美術館にはベラスケスの作品が16点あり、ここでは1点取り上げる。

ラス・メニーナス
『ラス・メニーナス』。
原画はスペインのプラド美術館が所蔵している。
マドリード宮殿の大きな一室を舞台に、マルガリータ王女を中心に、女官や侍女たちを描いた作品だ。
この作品は多くの画家がコメントしており、西洋美術史において重要な作品とされている。
大きなサイズであること、また絵画の重要性と価値のため、展示のためだけに貸し出されることはない作品なのだそうだ。
原画は現地で鑑賞するしかない。
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