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明け方の津別峠展望施設から [旅・場所]

曇天。
新月頃なので空からの明かりは期待できないし、薄い霧も出ている。
街路灯などの人工照明は一切ないため、反射板からの反射光を頼りにレンタカーを走らせ始めた。

宿を出て分岐点を右折。
道道588号線を東方面へ。
7kmくらい走ったところで次の分岐へ。
宿の標高は400mくらいなのだけど、この分岐点に到着したあたりでは標高750mあたり。
心なしか霧は薄くなったような気がするが、いかんせん真っ暗で自動車のライトしか明かりがないため、よくわからない。(苦笑)

さらに2kmくらい走ったところが目的地。
7月30日のブログで取り上げた、津別峠展望施設に到着。(そのブログはこちら)
対向車が一度もなかったことや、霧がそれほど濃くなかったこともあり、安全運転でも想定以上に早く着いた。

その時の記事で下見をと書いたのは、夜中に霧の中でも走る感覚や時間を掴もうと考えてのこと。
その時の(つまり2日前の)霧の中の夕刻午後4時半頃の様子は以下の感じ。
津別峠展望施設

そして今回。午前3時頃の様子。
津別峠展望施設
おお。晴れている!
雲も霧もない。明るい星の瞬きがいくつか見える。
標高950m近くある高さのおかげで下の方の天気とは全然違うことがあると事前に調べていたので、知識としては知っていたけれど、その情報通りだったのはうれしい。(^^)

午前3時でも、駐車場には既に車が何台か止まっていた。
三脚とカメラの入ったバッグを持ち出し、展望施設の東側へ。
この時間は展望施設は施錠されていて中へ入れないので、その外側から展望することになる。

そこには雲海が広がっていた。
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海

この日の津別の日の出時刻は午前3:49。
写真のタイムスタンプを見ると、午前3:05頃なので、まだ日の出には40分以上あるのだけど、空は明るい。(ISO800、F4.0、1/6秒で撮っているので、露光時間が長くて明るいというわけではない。)
ここを訪れた人のブログなどを見ると、本当に夜が明けてくる色合いを見たいなら、日の出1時間くらい前に到着している方が良いとあったが、なるほど。
どこから移動するのかによっても異なるが、最寄りのホテルはどこも自動車で30分以上かかると思っていた方が良い。
緯度が高い津別の夏だと1時半~2時くらいに起きないとダメだったということになる。もはや寝ない方が良いのではという時間だ。(苦笑)

手持ちで1枚撮った後は、三脚をセットし、設定をいろいろと変更し、レリーズで適当なタイミング毎にシャッターを切った。
上の写真の5分後。上の写真は焦点距離36mm(35mm換算)だけど、下の写真は焦点距離24mm(35mm換算)。手持ちで持ってきたレンズの中では一番広角側。
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海
5分くらいでも雲海の形が少しずつ変わっているのが体感で分かる。

そしてこの時間帯は寒い。
気象庁のデータによると、最低気温9℃くらい。
事前に調べていたので、装備は持ってきた。(笑)
夏の国内旅行だというのに、ライトダウンジャケット(丸められるタイプ)と大きめのフィールドジャケット、手袋に厚手の靴下を持参していて正解だった。(手袋を使うので、レリーズが必要だった。)

パノラマモードで撮影。(クリックすると大きい画像が開きます。)
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海

自分が到着した時は、三脚をセットしていた撮影者は3~4名だったが、その後も少しずつ増え、午前3時半くらいには倍近くになっていた。
三脚持参か否かに関わらず、デジタル一眼やコンデジ、スマホなどで撮影する観光客は多い。
ただ大型のツアー集団はいないので、ゆったりと撮影したり眺望を楽しんだりすることができて、とても良かった。
野鳥の鳴き声が耳を打つ。

日の出10分くらい前。空がかなり明るくなってきた。
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海

風は北から南(掲載している写真だと左から右)へと流れていて、次々と雲海の元となる水分の多い空気が入ってくる。
地図があった方がわかりやすいと思う。
津別峠付近の地図
オホーツク海から流れ込む寒流によって冷やされた空気が、夏の南側からの暖かい空気とぶつかり、霧となりそれらが北風などで運ばれる、あるいは北海道の東側で寒気と暖気がぶつかって霧になるパターンなどが夏の主な雲海のプロセスらしい。
これらの霧が屈斜路カルデラ付近に流れ込んで埋め尽くし、外輪山に阻まれてそのままとどまることによって、見事な雲海が見られることになる。
実際には、湖水から発生するケースもあるようだけど、夏は海の影響が大きいようだ。
すごくダイナミックな話。関東で例えると、東京都品川区あたりの海岸で発生した霧が、茨城県古河市とか埼玉県熊谷市まで流れ込み、雲海となるような感じだ。

日の出の時刻。
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海と日の出
おお。雲海の向こうに見える山々の間から日が昇る。
山は斜里岳や南斜里岳だと思う。(たぶん)

日の出後7分くらい経ったところ。
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海と日の出
5分以上経つと、完全に太陽全体が見え、空の色も全然変わってくる。
この頃になると、帰る人が出始める。
特に防寒対策ができていなかった人たちはかなり寒そうに帰って行った。
そのため、日の出を見て記念撮影したら帰るというパターンは多いようだ。

日の出から14分くらい経ったところをパノラマで。(クリックすると大きい画像が開きます。)
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海と日の出
最初のころの雲海と比べると、手前側に隙間が空いていることがわかる。
風向き、湿度の状態、気温などの様々な条件によって、雲海の形や流れ方、厚みが変わる。
雨でなくてもまったく見られない日もあるようだし、下は雨でも上では綺麗に雲海が見えることもあるらしい。
ちなみに、雲海が切れているあたりの斜め下方向は屈斜路湖。
雲海は屈斜路湖から摩周湖あたり一面を覆う壮大な規模で、これはなかなか写真では伝わりづらい。

日の出から25分後くらい経ったところ。
明け方の津別峠展望施設から眺めた雲海と日の出
このくらいになると、日の出というよりは、朝日とか朝焼けと言った方がいいくらい。
上の写真では雲海がなかったところが、また雲海で埋められていることがわかる。
本当に刻々と変化する。

だんだんと引き上げる人が多くなる。
自分も考えてみると9℃~10℃くらいの気温の中で1時間半動かずに写真を撮っていたので、防寒対策をしっかりしているとは言え、そろそろ引き上げた方が良さそうだ。
三脚を折りたたみ、バッグにカメラをしまい、機材一式をレンタカーへと運ぶ。

明け方の津別峠展望施設
木々の間から雲海や朝日が見えて、これもなかなか良い。

明け方の津別峠展望施設
津別峠展望施設を最後に1枚撮影。

場所は以下の通り。