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夢の木坂分岐点 [書物・音楽]

夢の木坂分岐点筒井康隆という作家がいる。
作家そのものの知名度も高いし、いくつかは小説タイトルが非常によく知られている。
小説そのものを読んだことをなくても、何度も実写映画・アニメ映画になった『時をかける少女』はとても有名だし、アニメ化された『パプリカ』、ドラマ化された『家族八景』や『富豪刑事』を知っている人もいると思う。
自分が最初に買った作品が何だったか、はっきりとした記憶はないが、『旅のラゴス』あたりだったような気がする。

どれか一冊を選ぶとするとどれかなと悩んだが、今回はこの『夢の木坂分岐点』で。
1987年に書かれた作品。
どういう話かというのはとても実は紹介しづらい話で、しかも万人向けの作品では決してない。
ずーっと以前に取り上げた別の作家の『アルジャーノンに花束を』とか『テロリストのパラソル』などはエンターテインメント作品としてはわりと勧めやすかったけど、これはなかなか難しい作品だ。筒井康隆の作品でも『旅のラゴス』とか『愛のひだりがわ』とかの方が圧倒的に入りやすい。
この作品は谷崎潤一郎賞を受賞しているが、人を選ぶ気がする。初筒井康隆の人は、この作品から入るべきではないとも思う。
それくらい難しい作品だと感じる。けれど心に残った。
これを最初に読んだとき、とても衝撃的だった記憶があり、その後何度も読んで何度も衝撃を受けた。(笑)
最終行で鳥肌が立った数少ない作品。
もうかれこれ5年くらいは読んでいない気がするが、またその内再読しようと思う。

夢の木坂分岐点 (新潮文庫)

夢の木坂分岐点 (新潮文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1990/04/27
  • メディア: 文庫

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